看護技術

意外と知らない!採血スピッツの順番とその根拠。

夜勤明けで必死に頑張った採血。

やっと終わった〜と思っていたら、検査科からの電話に嫌な予感。

検査技師
検査技師
「◯◯さんの採血凝固しているので取り直してください」

「◯◯さんの採血ですが血液量が足りません

ponpoko
ponpoko
「マジか…あの患者さん取りにくい人なのに…」

こんな経験あるのではないでしょうか?

実は、採血した血液をどの順番でスピッツ入れるかには明確なエビデンスはないものの理想とされている順番があります。

そして、理想とされている順番を理解し実践すれば凝固や血液量不足による取り直しの連絡がなくなるかもしれません。

では、今回は意外と知らない採血スピッツの順番とその根拠について説明していきたいと思います。

採血スピッツの順番を理解するためのポイント

正しい採血スピッツの順番を理解するためには

  1. 採血スピッツの中に抗凝固剤が入っているか
  2. 最初の血液には組織液が混入されている
  3. 時間が経つほど血液の流出が弱くなる

この3つのポイントを押さえる必要があります。

①採血スピッツの中に抗凝固剤が入っているか

血液検査の中には凝固してしまっては検査ができないものが結構あります。

その代表的な採血スピッツが血算凝固

血算や凝固スピッツの中には謎の粉や液体が入っていますが、実はあれが血液を固まらせないための抗凝固剤です。

つまり、血液は放っておくと固まってしまう性質のため、凝固しては困るものから順番に採取していかなければなりません。

抗凝固剤の種類

EDTA-2k血算

血液を固まるために必要なカルシウムイオンを除去することで凝固することを防ぐ抗凝固剤になります。

ただし、2k(カリウム)が生化スピッツに混入してしまうとカリウムが偽高値になることがあるので順番に気を付けなければなりません。

クエン酸ナトリウム凝固

EDTAと一緒で凝固に必要なカルシウムイオンを除去するのですが、EDTAに比べると効果が弱めなのが特徴。

フッソ化ナトリウム血糖

これも同じでカルシウムイオンを除去する抗凝固剤です。

また、採血した血液中のブドウ糖は時間の経過とともに減少してしまいます(解糖作用)。
時間が経てば経つほど正確な値が得られなくなってしまいますが、フッソ化ナトリウムはこの解糖作用を防ぐ働きがあるのも特徴です。

生化に入っているのは凝固促進剤

生化スピッツに入っているペラペラした紙や下にあるゼリーみたいたのも抗凝固剤?と思われがちですが、あれは凝固促進剤血清分離剤です。

生化は血球血清に分離させて血清部分のみを検査します。

検査結果を早く知るためには、素早く凝固せる必要があるので生化には凝固促進剤が入っているのです。

また、転倒混和させ凝固させないと血清内にフィブリンが混入してしまい、正確に測定できなくなってしまいます。

②時間が経つほど血液の流出は弱くなる

穿刺した直後は血液の勢いがいいのですが、時間が経つにつれてポタポタと弱くなってしまいます。

「もう少しもう少し、動かないで」と心のなかで願いながらやっと採取したものの「凝固してるので取り直してください」と連絡がきてへこんだ経験あるのではないでしょうか?

このように、スピッツへ流入するの勢いが弱くなると時間がかかってしまうと、白血球や血小板が凝集して凝固してしまう可能性があるのです。

このことからも、凝固しやすいものは先にとるべき理由ということ。

③最初の血液には組織液が混入されている

実は針を穿刺した直後の血液には若干の組織液が混入することを知っていますか?

組織液とは毛細血管壁から滲み出る血漿成分のことで、水やタンパク質・脂質・ブドウ糖・電解質・ホルモンなどが含まれている体液のこと

その組織液の中には血液を凝固させる働きのあるタンパク質が含まれており、せっかく採取した血液を凝固させてしまう可能性があるのです。

固まらせてはいけないものから採取するのが基本な考え方ですが、この組織液の混入も考えなくてはなりません。

では、3つのポイントをふまえて真空管とシリンジで採血する場合のスピッツの順番を覚えていきましょう。

真空管採血の場合

真空管で採血する場合は

生化凝固血算血糖

この順番になります。

生化が最初の理由

真空管の場合は、採血管ホルダーの中にある針にスピッツを順番に付け替えていきますよね?

そこで問題になるのが組織液抗凝固剤の混入です。

本来であれば、凝固させたくないものから採取するのが基本的な考え方です

ただ、穿刺直後の血液には若干の組織液が混入する可能性があると話しましたよね?

もし凝固スピッツを最初にすると組織液の混入により血液が凝固してしまう可能性があり、APTTの結果に20%もの差がでるとも言われています。

そのため、真空管採血の場合は凝固しても影響のないものを1番最初に採取することが望ましいと言うことになります

また、血算→生化の順に採取してしまうと、血算に入っている抗凝固薬(EDTA-2K)が生化スピッツに混入してしまいカリウムが偽高値になってしまう可能性もあります。

  • 組織液の混入
  • 抗凝固薬の混入

これらの理由によって正確な値がわからなくなってしまうことから、1番最初に採取するのは生化スピッツが理想なのです。

凝固が2番目の理由

凝固スピッツを2番目にとる理由は「固まると検査ができない」のと「正確な採血量が必要になる」ためです

正確な凝固の値を調べるためには、血液とクエン酸ナトリウム(抗凝固剤)の混合比を9:1にする必要があります。

凝固スピッツには、「ここまで血液を入れてください」というラインが書いてありますよね?

そのラインまで血液を入れないと9:1の混合比になりません。

ponpoko
ponpoko
通常はクエン酸ナトリウム0.2ml入りのスピッツに対して血液を1.8mlを入れるのが一般的です。

もし、凝固を最後にしてしまうと血液の流出が弱くなり、固まりやすいだけでなく「やばい足りない」と採血量が不足することになる可能性があるため2番目にとるのが理想ということになります。

血算が3番目の理由

血算は抗凝固剤が入っているので固まってしまうと検査できません。

ただ、凝固スピッツのように正確な採血量でなくてもある程度採取できれば検査できてしまうので、凝固の次に採取するのがベストです。

ponpoko
ponpoko
やばい足りないかもと思って恐る恐る検査に出しても、意外にも大丈夫だったことが多々ありました。

血糖が4番目の理由

血糖にも抗凝固剤が含まれていますので、固まってしまうと検査ができなくなってしまいます。

しかし、仮に凝固してしまったとしても血算スピッツでも代用できるそうなので、優先順位としては血算の次になります。

シリンジ採血の場合

シリンジ採血は真空管採血のように連続して採取するわけではないので、EDTAなどの抗凝固剤が次のスピッツに混入する可能性が少ないと言われています。

また、シリンジ内に必要な血液量をまとめて採取するので、組織液が混入してしまう最初の血液もわからないのです。

そのため、シリンジ採血の場合は凝固への影響が大きいものから順番に分注していくことがスタンダードとなります。

凝固血算血糖生化

の順番になります。

こんな時は順番どうする?よくある採血の事例

凝固のみの採血の場合

ワーファリンを内服中でINRを測定したい時なんかは凝固のみの採血ってことありますよね?

凝固のみを採血する際に注意してほしいのが、真空管に翼状針をつけて採血する場合です。

ponpoko
ponpoko
これは新人看護師がよくやってしまうんですよ

翼状針ってすごく使いやすいんですが、チューブ内にデッドスペースがあるため、その空気が凝固スピッツ内に入ってしまうと適切な量がスピッツ内に入りません。

つまり、採血量が足りずに取り直しということになってしまいます。

そのため、最初にダミースピッツを使ってチューブ内を血液で満たした後に凝固スピッツに採取します。

ponpoko
ponpoko
ダミースピッツは何でもいいのですが、私は生化をよく使います。

血液ガスとその他の検査がある場合

本来ならば、血液ガス検査は単体で行うか三方活栓を使用したほうが、血液ガスシリンジ内に空気の混入がないため望ましいです。

しかし、血液ガス・生化・血算・凝固と採血量が多い場合、シリンジで採血して分注することありますよね?

この場合は、迅速に検査をしないと影響がでる血液ガスを1番最初に分注しましょう。ただし、しっかりサンプラー内に空気が残らないように注意してください。

あとは、凝固→血算→生化の順番でOKです。

血液培養がある場合

血液培養と一緒に生化、血算を採取すること多いと思いますが、この場合の順番はどうすればいいと思いますか?

この場合は、血液培養血算生化の順番で行っています。

その理由は、血液培養のボトル1本につき8〜10mlの規定量を採取する必要があるからです。

最後にまわしてしまうと採血量が足りずに、正確な培養結果が得られない可能性がありますので、最初に分注するのが理想です。

まとめ

採血スピッツの順番は「凝固したら困るもの」や「正確な量が求められるもの」「組織液の混入」を考えて

真空管採血であれば

生化→凝固→血算→血糖

シリンジ採血であれば

凝固→血算→血糖→生化

の順番になります。

ぜひ参考にしてみてください。

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