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大腸内視鏡検査における看護のポイント。【検査当日編】

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みなさんどーもponpokoです。

前回、大腸内視鏡検査における看護のポイント[前日編]を説明しました。

検査当時は、

  1. 2Lの下剤(ニフレック)を服用する
  2. 排便の確認
  3. 検査後の注意点
  4. 退院後の指導

などを踏まえ、当日編を説明したいと思います。

 

 

2Lの下剤(ニフレック)を服用

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服用する時間

2Lの下剤(ニフレック)を2時間かけて服用します。コップ(250cc)1杯を15分ずつに分けて8回飲むイメージですね。

ニフレックは、経口腸管洗浄剤であり、腸管の電解質と等張になっています。電解質のバランスが崩れずに腸管で水分が吸収されません。そのため、腸管内に水分が留まり、便を柔らかくし排便を促します。

ポイントなのが2時間かけて飲むことです。早すぎても、遅すぎても十分な効果が得られないと言われています。

どうしても飲めない場合はどうするか?

  1. 検査前日から2日間に分けて服用する。

前日と当日で1Lづつに分けて服用する場合があります。高齢者であり、2Lも服用できないときにこの方法を使用することがあります。

  1. NGチューブを挿入して投与する

認知症があり、服用できない場合や、嚥下障害があり、リスクが伴う場合などに行うことがあります。経鼻よりチューブを挿入し、そこからニフレックを投与します。

実際に行うことは少ないですが、1つの方法として説明しました。

ニフレックは必ずしも2L服用しなくてはいけないわけでなく、検査可能な排便状態になれば中止していいのです。

飲みやすくする方法

ニフレックは、レモン風味と言われており、患者さんもスポーツドリンクみたいと言っています。しかし、

常温だと飲みにくい

との声がありました。冷やしたほうが飲みやすいと思い、服用の2~3時間前に冷やしてみたところ

冷えてて飲みやすかった

と効果がありました。患者さんによっては、常温のほうがいい場合もあるので、患者さんの確認してから冷やすことをおすすめします。

注意:冷やすと飲みやすいが、身体も冷えてしまい、まれに胸痛を起こしてしまうことがあるそうです。そのため、高齢であったり心疾患がある場合は常温にするべきと思います。

ニフレック服用時の注意点 

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  1. 腸管穿孔のリスク

腸管内圧の上昇により腸管穿孔を起こすおそれがあります。

・胃腸閉塞症

・腸閉塞

は禁忌になっています。しかし、下部消化管になんらかの異常があり検査することが多いのです。高度な便秘や大腸憩室、高齢者になどには慎重な投与が求められています。

嘔吐や腹痛が出現したら、すぐに中止して、医師に報告が必要になります。

必ず服用後に上記のような症状がないかを観察するのがポイントです。

  1. アナフィラーキシーに注意

ニフレックを数回服用したあたりで、アナフィラーキシーの症状がないかを確認する必要があります。もし、症状の可能性が疑われた場合もすぐに服用を中止して、医師に報告する必要があります。

  1. 迷走神経反射

大量の下剤を内服し、何度もトイレで排泄をすることになります。腹痛や頻回の排便により、迷走神経反射が起きる恐れがあります。

吐き気や目眩、顔面蒼白、生あくび、失神、血圧低下などの症状があれば、迷走神経反射が疑われます。その場合も、すぐに患者さんを臥床または下肢挙上を行い安静にします。

前日に服用したラキソベロンでも、同じことが起きる可能性があります。

ponpokoも、患者さんがトイレ内で迷走神経反射により倒れていたことが何度かありました。

検査できる排便状態

ニフレックを服用すると、平均して5〜8回位トイレに行きます。

排便状態を確認するのが看護師の役割でもありますが、自分で確認できる患者さんには事前にパンフレットを用いて説明します。看護師が確認する場合には、必ずトイレを流す前に、トイレ内にある呼び出しボタンを押すように説明します。

今は、自動で流れてしまうトイレがあるため、確認できるようにコンセントを抜いておくことも必要になります。

排便スケール

①固まりのある便

②少し固まりのある水様便

③薄い黄色の水様便

④無色透明の水様便

④になったら検査可能になります。

④の排便にならない場合

検査可能の排便にならない場合は、医師に報告します。

  1. 追加でニフレックを服用する
  2. グリセリン浣腸を行う
  3. 高圧浣腸を行う
  4. 歩ける患者さんには、少し歩いてもらう

などの方法で行います。

ニフレックに関しては、4Lまでは服用できるのですが、追加で行うことは少ないですね。

グリセリン浣腸や高圧浣腸を行い、腸管内を綺麗にすることが多いです。

歩行に関しては、歩くことで排便が促されるので、患者さんによっては歩いてもらう場合があります。

点滴ルートの確保

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禁食や頻回の排便により、脱水になる可能性があります。そのため、補液が必要になります。

また、検査時の鎮静剤使用する際にも必要となるので、点滴ルートを確保します。

検査に対する不安

  • 痛みはないか
  • 結果が心配
  • 合併症が起きないか

など、様々な不安を抱えています。不安に思っていることはないか、必ず訴えを傾聴していくことも大切な看護です。

除去品の確認

ポリープを除去する際に、高周波電流を使用するために、指輪や時計、ネックレスなどの貴金属は外します。

また、化粧やネイルなども同様に除去します。

点滴ルートを確保し、検査できる排便状態になれば検査着に着替えて検査になります。

検査後の看護のポイント

腹痛の確認

特に、ポリープ切除をした場合などに注意が必要です。腸壁は胃壁よりも薄く、ポリープ切除により穿孔してしまうリスクがあるのです。ポリープ切除後にレントゲンでフリーエアーの確認を必ずします。

  1. 急激な腹痛
  2. 筋性防御
  3. ブルンベルグ兆候

などを継続的に観察する必要があります。希ではありますが、腸管穿孔は危険な為、十分に観察を行います。

下血

ポリープ切除後や粘膜層切除術などを行なった場合に起きます。10mm以上の大きなポリープやたくさんのポリープを切除した際に起きやすくなります。

切除後は問題がなければ、通常翌日より食事が開始になりますが、食事を開始後に蠕動が促進され出血することもあります。

検査後、翌日共にトイレに行く際に下血がないか必ず確認するように患者さんへ説明します。

腹部膨満感

検査時に、大腸内に空気を送りこむために腹部膨満感が出現します。抗コリン薬も使用するので腸管の動きは抑制されます。

検査後は、蠕動運動が回復してくると、ガスが出されていくため、徐々に腹部膨満感は消失していきます。

呼吸状態の確認

検査時、場合によってはドルミカムなどの鎮静剤を使用することがあります。検査後には、拮抗薬を使用しますが、検査後も呼吸状態に注意が必要となります。

退院後の指導

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  1. 退院後、1週間は激しい運動などは控えるようにする。腹部に圧がかかるようなことも避ける
  2. 退院後、1週間は消化の良い食事を摂取する。脂が多いものや辛いものは腸管を刺激するため避ける
  3. 退院後、アルコールは1週間禁止
  4. 退院後、4日目まではシャワーにし、入浴は控える
  5. 腹痛や出血がある場合は、速やかに受診することを説明する

退院後の注意点を患者さんに必ず指導します。退院後に下血して入院になる患者さんが時々いるんです。なので、退院指導は、本当に重要になるポイントなんです。

まとめ

検査当時から退院までの看護のポイントをまとめてみました。実際に、ponpokoの経験をもとに説明しています。

大腸内視鏡の患者さんを始めて受けもつ看護師さんや、新人看護師さんの参考になればと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます

ponpokoぽんぽん

ponpoko(ぽんぽこ)
地方の総合病院で師長をしながら特定看護師としても活躍中 3人の子供のパパ
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